Inkdrop値上げのお知らせ

Inkdrop値上げのお知らせ

Inkdrop値上げのお知らせ

こんにちは、TAKUYAです。 日本語ではご無沙汰しています。こちらはInkdropに関するアナウンスの日本語訳です。

2月5日より、Inkdropの値段を$4.9/month ($49.9/year) から $9.8/month ($99.8/year) に変更します. これはInkdropをローンチしてから7年間で初めての変更です。 その変更の背景や目的について説明します。

TL;DR

僕は数字を追いかけたくありません。それよりも、自分の情熱に従い、使いたい・観たい・読みたいと思えるものをこれからも作り続けたいと考えています。 その活動は、何万人もの課金ユーザを抱えるよりもより小さなスケールの方が適しています。 そのため、僕のプロジェクトInkdropは値段の調整をする必要がありました。

Inkdropを「より大きく」ではなく「より良く」したい。

僕はVCから投資を受けていないソロデベロッパーで、自分が個人的に使いたいものを作ります。 Inkdropは主に自分と似た人向けのアプリです。

スケールを小さく保つ事で、大事なことに集中できます。 課金ユーザ数は1万人より数千人ぐらいが自分にとってちょうどいいです。 ユーザ数を際限なく増やすためにお金とエネルギーを注ぎ込むよりも、特定のニッチ領域に集中して、アプリや活動をシンプルに保ち、今満足してくれている既存の顧客をもっと喜ばせたいです。

Inkdropを使うことで$10以上の生産性向上が見込めると信じている。

皆様の温かいサポートのお陰で、Inkdropは2016年にローンチしてから、ずっと継続的にアップデートを続けてきました。 去年は完全にイチから作り直した新しいバージョンのモバイルアプリをリリースしました。それはマルチテーマに対応しつつ、様々なパフォーマンスの改善を実現しました(特にAndroid)。 さらに、デスクトップ版もいろいろ機能改善をしつつ起動速度が約2倍になり、毎日快適に使ってもらえるようになりました。(2023年の改善内容まとめはこちらを参照)

そこで、Inkdropの現在の提供価値を反映させるために、価格を更新する必要があると思いました。 ユーザさんの金銭的都合は様々かと思いますが、価格を頻繁に変えたくないですし、値段設定は出来るだけ単純に保ちたいです。

この新しい値段設定がOKな方は、何もする必要はありません。2月5日以降の次回の決済日に新しい価格が自動的に適用されます。

アプリを通してあなたのモチベーションを上げたい。

僕のYouTubeチャンネルdevaslifeはアプリのマーケティングのために始めたところ、予想外にも約20万人もの購読者が集まりました。自分でもびっくりです。 多くの人が、自分の動画を見ることでやる気が出ると言ってくれました。 一方、人が集まるのは良いことですが、このチャンネルはあくまでInkdropの一部です。 Inkdropユーザにとってもっと役に立つチャンネルにしたいです。

僕のビデオはあなたをモチベートし、Inkdropは技術ノートの側面からあなたの行動を助けます。 Inkdropを使って何か面白い事をするコンテンツを投稿すれば、あなたの気持ちや創造性の刺激につながればいいなと思います。 このインスピレーションとアクションの一連の作用(synergy)は、僕がアプリとコンテンツを通して提供したい価値です。 なぜなら、勉強、コーディング、創造は多くの場合孤独な作業だからです。 Inkdropとdevaslifeのゴールは、そんな孤独を乗り越えチャレンジする人を助けることです。

今年は技術ノートの取り方についての動画を沢山投稿する予定です。去年もいくつか投稿しました:

ハイクオリティな動画を制作するのは時間とコストがかかります。 Inkdropをサブスクして頂くことで、活動の継続への大きな助けになります。

サポートいつもありがとうございます

このようなインディペンデントソフトウェアの顧客になり活動をサポートしてくださり、ありがとうございます。 I love you!

2024年があなたにとって最高の年になることを祈っています!

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なぜ体を壊してまで個人開発を頑張るのか?自尊心の欠如や過集中癖と向き合う

なぜ体を壊してまで個人開発を頑張るのか?自尊心の欠如や過集中癖と向き合う

どうもTAKUYAです。最近、個人開発を頑張りすぎて体調を崩してしまいました。アトピーが猛烈に悪化して、QoLが著しく下がってしまいました。まだ療養中ですが、毎日1万歩以上歩いて、徐々に回復しつつあります。 この過ちを繰り返さないためにも、自分は一体何が原因で頑張りすぎてしまうのか?という事について深堀りして考えてみたいと思います。また、個人開発におけるメンタルヘルスはあまり語られていないトピックだと思います。本記事が、同じように仕事を頑張りすぎてしまう人の助けになれば幸いです。 TL;DR * なんとなく続けていたソフト開発が自分を救った * 原体験が歪んだモチベーションを生んでしまった * 親が引くほどの過集中癖がある * 生得的な直せないバグと考えることにする * アプリの成功に関係なく、自分をあるがままに受け入れる * 挫折しないのは、なんだかんだで前向きだから * ユーザさんから「休め!」と叱咤された * 人生は長い。個人開発なんかで死ぬな 自己の原体験について振り返ってみる 個人開発だけで生活するようになって、かれこれ8年ぐらいが経ちます。こう

By Takuya Matsuyama
ユーザサポートの問い合わせを装った攻撃が怖すぎた

ユーザサポートの問い合わせを装った攻撃が怖すぎた

どうもTAKUYAです。個人開発をしていてアプリの知名度が上がってくると、作者個人(あるいはサイト管理人)を狙った攻撃というのをたまに受けます。つい先日も、怖すぎるメールを受け取ったのでシェアします。 件名: Cookie consent prevents platform access Hello, I cannot access use the store. The cookie consent notice keeps appearing and nothing happens once I approve or try to close it, so I’m unable to interact with the website. Please provide guidance on

By Takuya Matsuyama
万年ペーパーの自分が車の運転を楽しめるようになった理由

万年ペーパーの自分が車の運転を楽しめるようになった理由

どうもTAKUYAです。大学の入学前に免許を取って以来ずっとペーパードライバーで、都市生活では出来る限り運転は避ける生活を送っていた。事故を起こせば人を◯してしまう可能性もある代物を日常的に運転するなんて考えられなかった。 そんな自分に転機が訪れたのは、結婚して大阪に戻った事と、子供ができた事、そしてアウトドアに興味を持った事だ。大阪近辺だと箕面とか野勢、神戸、丹波篠山などが日帰りでドライブしやすい距離だ。それで、恐る恐るタイムズのカーシェアで時々ではあるが運転するようになった。 他の車も生きた人間が運転しているという驚き まず運転していて気づいたのは、他の車にも生きた人間が運転していると言う点だ。そんなのは当たり前だろと思うかもしれないが、結構新鮮な発見だった。Grand Theft Autoなどの現代をモチーフにしたゲームをプレイすれば分かるが、NPCの車の動きは鈍臭いのでガンガンぶつかる。プレイヤーの進行を予測した動きなどしないからだ。 しかし現実では相手も事故りたくないので、お互いに動きを読み合い、譲り合って運転する。ルードな運転手もたまにいるものの、どちらかがよっぽ

By Takuya Matsuyama
禅的思考: なぜInkdropはMarkdown独自拡張をしないのか

禅的思考: なぜInkdropはMarkdown独自拡張をしないのか

InkdropはMarkdownのノートアプリですが、Markdownの独自拡張は「絶対にやらない」と決めていて、それがアプリの哲学になっています。 Markdown(厳密にはGitHub-flavored Markdown)の強みは、ソフトウェア業界標準で広く使われてい緩い文書フォーマットという所です。 アプリの独自記法を加えてしまったら、あなたの書いたノートはたちまちそれらと互換性がなくなります。 「独自記法を加えた方が便利な機能が付けられるだろう」と思うかもしれません。もちろん実際Markdownは完璧な書式ではないため、必要な場面はいくつかあります。例えば画像のサイズ指定方法が定まっていない、など。それでも自分は、ノートの可搬性を第一にしてきました。その裏には禅にまつわる哲学があります。 日本の文化は周りの環境と対立するのではなく、溶け込もう、馴染ませよう、共生しようとする傾向があります。窓の借景、枯山水、建築の非対称性、茶室のシンプルさ、侘び寂びなどあらゆるところで見られます。 絵画における「減筆」の手法を例にとって説明します。 これは、描線を最小限に抑えながら絹や紙の

By Takuya Matsuyama