30日間、開発をお休みします

30日間、開発をお休みします

30日間、開発をお休みします

次のフェーズに向けてチャージ

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こんにちは、TAKUYAです。

数日前にInkdropの新しいモバイル版をリリースしました。今のところとても好評で嬉しい限りです。幸いなことに、Inkdropはここ一年ずっと成長し続けていて、以下のように決済回数が安定して増えています:

そして先月の売上は26万円でした。やっと前職の給料を上回りました(笑) 東京で生活するには充分の利益です。このまま伸ばすことができれば、フリーランスも安心して辞められますね。

現在のロードマップも残すところあと一つとなりました。最後の項目は、タスクのプログレス表示機能です。モバイルアプリの再開発に比べたら簡単そうですね。新モバイル版に取り組んでいる間にデスクトップ版の機能要望が大量に溜まっています。次のロードマップにむけてそれらを整理して議論する必要があります。また、デスクトップ版も同じく再構築したいと考えています。モバイル版で大幅にリファクタリングしたモジュール群を統合したいのです。

それらにすぐ取り掛かりたいのですが、その前に少し休息を取りたいと考えています。

以前の記事にも書いたのですが、このプロジェクトの趣旨は、健康的なペースでプロダクトを開発して食うことです。働きすぎは続かないからです。ちょうどZOZOの田端氏が「過労死は自己責任」と発言して炎上していますね。会社員もそうですが、たとえ一人で働いていたとしてもペース配分って難しかったりします。僕はなにかに集中すると他に何も見えなくなるタイプなので、つい無理をしがちです。それを何年も続ければ、オーバーワークが健康を破壊するのは想像に難くありません。過労死問題の中心はサラリーマンですが、就労規則がない分、フリーランスはより気をつける必要があると思います。

なので、Inkdropは30日間開発をお休みすることにしました。人によっては、それは長すぎるとか、僕がやる気を無くしてしまうんじゃないかと危惧するかもしれません。大丈夫です、ご心配なく。なぜなら、そもそもこのプロジェクトを始めてからの二年間、僕はフリーランスとしていくつもの取引先と働いてきました。その労働時間に比べたら30日間は微々たる長さです。Inkdropはすきま時間を使ったサイドハッスルに過ぎませんでした。また、僕はInkdropのヘビーユーザです。開発の興味を無くす時とは、僕がアプリを使わなくなった時です。

もちろん、休みの間もユーザサポートは提供します。反応が遅れたらごめんなさい。重要なバグが見つかれば対処します。あとたぶんブログも書くと思います。

休みの間は、普段読まない本を読んでみたり、人に会ったり、新しいことを学んだり、寝たり、食べたり、寝たりしようと思います。開発漬けの毎日で狭まった視界を一気に広げたいと思います。めっちゃワクワクしますね。きっとそれらが最終的にプロジェクトにフィードバックされることでしょう。

アップデートを待ち望んでいた人は待たせてしまってすみません。ご理解感謝します!

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禅的思考: なぜInkdropはMarkdown独自拡張をしないのか

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InkdropはMarkdownのノートアプリですが、Markdownの独自拡張は「絶対にやらない」と決めていて、それがアプリの哲学になっています。 Markdown(厳密にはGitHub-flavored Markdown)の強みは、ソフトウェア業界標準で広く使われてい緩い文書フォーマットという所です。 アプリの独自記法を加えてしまったら、あなたの書いたノートはたちまちそれらと互換性がなくなります。 「独自記法を加えた方が便利な機能が付けられるだろう」と思うかもしれません。もちろん実際Markdownは完璧な書式ではないため、必要な場面はいくつかあります。例えば画像のサイズ指定方法が定まっていない、など。それでも自分は、ノートの可搬性を第一にしてきました。その裏には禅にまつわる哲学があります。 日本の文化は周りの環境と対立するのではなく、溶け込もう、馴染ませよう、共生しようとする傾向があります。窓の借景、枯山水、建築の非対称性、茶室のシンプルさ、侘び寂びなどあらゆるところで見られます。 絵画における「減筆」の手法を例にとって説明します。 これは、描線を最小限に抑えながら絹や紙の

By Takuya Matsuyama
Inkdrop v6 Canary版リリースしました — 新Markdownエディタやその他新機能盛り沢山

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AIのお陰で最近辛かった個人開発がまた楽しくなった こんにちは、TAKUYAです。日本語ではお久しぶりです。僕はInkdropというプレーンテキストのMarkdownノートアプリを、デスクトップとモバイル向けにマルチプラットフォームで提供するSaaSとして、かれこれ9年にわたり開発運営しています。 最近、その開発にClaude Codeを導入しました。エージェンティックコーディングを可能にするCLIのAIツールです。 最初の試行は失敗に終わったものの、徐々に自分のワークフローに馴染ませることができました。そして先日、アプリ開発がまた「楽しい」と感じられるようになったのです。これは予想外でした。 本稿では、自分がエージェンティック・コーディングをワークフローに取り入れた方法と、それが個人開発への視点をどう変えたかを共有します。 * 翻訳元記事(英語): Agentic coding made programming fun again 自分のアプリに技術的負債が山ほどあった ご想像のとおり、9年も続くサービスをメンテするのは本当に大変です。 初期の頃は新機能の追加も簡単で

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個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ

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個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ InkdropというMarkdownノートアプリを作り続けて7年になる。 お陰さまでその売上でずっと生活できている。 これまで個人開発でどう継続していくかについて「ユーザの退会理由をあれこれ考えない」とか「アプリの売上目標を立てるのをやめました」とか、ビジネス面あるいはメンタル面からいろいろ書いてきた。 今回は、技術面にフォーカスして、どう継続して開発していくかについてシェアしたい。 TL;DR * 最初はとにかく最速でリリースする事を最優先する * 迷ったら「ときめく方」を選べ * 程よいところで切り上げて開発を進める * 使っているモジュールがdeprecatedされるなんてザラだと覚悟する * 古いから悪いとは限らない * シンプルにしていく * 老舗から継続の秘訣を学ぶ * 運ゲー要素は排除しきれない 最初はとにかく最速でリリースする事を目標に技術選定する 開発計画とビジネス計画は切っても切り離せない。 コーディングに傾倒するあまり完璧主義に陥って結局リリース出来ないまま頓挫してしまう個人開発者は多い

By Takuya Matsuyama