Inkdrop v6 Canary版リリースしました — 新Markdownエディタやその他新機能盛り沢山

Inkdrop v6 Canary版リリースしました — 新Markdownエディタやその他新機能盛り沢山

Inkdrop v6.0.0 Canary版リリースしました — 新Markdownエディタやその他新機能盛り沢山

こんにちはTAKUYAです。 v6.0.0 の最初の Canary バージョンをリリースしました 😆✨ v6では、アプリのコア機能の改善がたくさん盛り込まれています!

CodeMirror 6 ベースの新しいエディタ

フローティングツールバー

v5ではツールバーがエディタの上部に固定されており、使っていないときもスペースを占有していました。 v6では、テキストを選択したときだけ表示されるフローティングツールバーに変わりました。

GitHub Alerts 構文のサポート

Alerts の構文が正しい色と左ボーダーでハイライトされるようになりました。
ネストされたアラートや引用にも対応しています。

また、アラートタイプの入力を支援する補完機能も追加されました。

スラッシュコマンド

空行で / を入力すると、blockquote・見出し・アラートなどの挿入コマンドが一覧で表示されます。

コードブロック内での補完

コードブロック内でコードを編集すると、対応言語に応じて自動的に補完が有効になります。

絵文字補完

: を入力し、続けて2文字入力すると GitHub 風の絵文字候補が表示されます。

コードブロックの言語候補

``` を入力すると、利用可能な言語が候補として表示されます。

ノートリンクを挿入(Experimental)

[[ を入力すると、ノートを検索して内部リンクとして挿入できます。

選択したノートの内容がプレビューされます。

Telescope(コマンドパレット)

長年待ち望まれていたコマンドパレットをついに実装しました!
最近ではユーティリティアプリで検索バーが主流なので、それに着想を得て、macOS の Spotlight や Raycast のように、複数の情報源を横断検索できるバーを開発しました。
この機能を Telescope と呼びます(telescope.nvim から名前を拝借!)

対応するソース例:

  • コマンド
  • ノートブック
  • タグ
  • 編集中ノートの目次

使い方

Cmd/Ctrl-K を押すか、メニューの View → Toggle Telescope から起動:

あとはキーワードを入力するだけ。
曖昧検索に対応しているので、スペルミスも気にしなくてOK。

ソースごとに >b などのスコーププレフィックスがあります。
たとえばコマンドだけを検索したいときは、> + スペース を入力。Esc でスコープ解除。

コマンド

  • ショートカット: >

Inkdrop の操作はほとんどがコマンドとして定義されています。
APIを使わずにコマンドを実行できます。
また、ショートカットがある場合は右側に表示されます。

ノートブック

  • ショートカット: b

ノートブックの選択だけでなく、「ワークスペースとして開く」「現在のノートを移動」なども可能です。

タグ

  • ショートカット: t

タグを通じてノートをナビゲートできます。

目次(TOC)

  • ショートカット: #

長文のブログ記事などで、セクション間を素早く移動したいときに便利です。
編集中ノートの見出しが一覧になり、すばやくジャンプ可能。
しかも、タスク項目も表示されます!

ノート内でのToDo管理にも便利。

API も近日公開予定

Telescope は拡張可能な設計になっています。
カスタムソースの追加も自由!
どんなソースが登場するか楽しみです!

注意

現在はすべてのコマンドを一覧表示しますが、引数を必要とするコマンドも含まれており、それらは Telescope から呼び出すと動作しません。今後のリリースで非表示にする予定です。

Flatpak と AppImage のサポート

Electron Builder ベースの新しいビルドパイプラインに移行し、
Flatpak や AppImage に対応するようになりました。

Canary 版に関する注意事項

ipm のバンドル廃止

依存関係が非常に多いため、ipm の同梱をやめました。今後は別パッケージとして公開予定です。当面は v5 の ipm をご利用ください。

ユーザーデータディレクトリのパスが異なる

ユーザーデータディレクトリ の名前が inkdrop ではなく inkdrop-canary になります。
正規版と別にセットアップ可能です。

例:

  • macOS: ~/Library/Application Support/inkdrop-canary/
  • Windows: %APPDATA%\inkdrop-canary\
  • Linux: ~/.config/inkdrop-canary/

vim プラグイン

まだ公開されていませんが、v6 ブランチをクローンして使えます。

v5 用プラグイン・テーマの非互換

CodeMirror v5 とは非互換のため、v5 用に作られたエディタ拡張プラグインやシンタックステーマは使えません。

inkdrop.getActiveEditor()CodeMirror#EditorView を返すように変更

Canary テストへの参加方法

リリースノートをご参照下さい。ご意見・バグ報告お待ちしてます(できれば英語でお願いします)。一緒に良いものを作りましょう!

Inkdrop Desktop v6.0.0-canary.1 🥳
Hi! I'm super excited to announce that the first canary version of v6.0.0 is available 😆✨ It comes with a bunch of…

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AIのお陰で最近辛かった個人開発がまた楽しくなった

AIのお陰で最近辛かった個人開発がまた楽しくなった

AIのお陰で最近辛かった個人開発がまた楽しくなった こんにちは、TAKUYAです。日本語ではお久しぶりです。僕はInkdropというプレーンテキストのMarkdownノートアプリを、デスクトップとモバイル向けにマルチプラットフォームで提供するSaaSとして、かれこれ9年にわたり開発運営しています。 最近、その開発にClaude Codeを導入しました。エージェンティックコーディングを可能にするCLIのAIツールです。 最初の試行は失敗に終わったものの、徐々に自分のワークフローに馴染ませることができました。そして先日、アプリ開発がまた「楽しい」と感じられるようになったのです。これは予想外でした。 本稿では、自分がエージェンティック・コーディングをワークフローに取り入れた方法と、それが個人開発への視点をどう変えたかを共有します。 * 翻訳元記事(英語): Agentic coding made programming fun again 自分のアプリに技術的負債が山ほどあった ご想像のとおり、9年も続くサービスをメンテするのは本当に大変です。 初期の頃は新機能の追加も簡単で

By Takuya Matsuyama
個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ

個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ

個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ InkdropというMarkdownノートアプリを作り続けて7年になる。 お陰さまでその売上でずっと生活できている。 これまで個人開発でどう継続していくかについて「ユーザの退会理由をあれこれ考えない」とか「アプリの売上目標を立てるのをやめました」とか、ビジネス面あるいはメンタル面からいろいろ書いてきた。 今回は、技術面にフォーカスして、どう継続して開発していくかについてシェアしたい。 TL;DR * 最初はとにかく最速でリリースする事を最優先する * 迷ったら「ときめく方」を選べ * 程よいところで切り上げて開発を進める * 使っているモジュールがdeprecatedされるなんてザラだと覚悟する * 古いから悪いとは限らない * シンプルにしていく * 老舗から継続の秘訣を学ぶ * 運ゲー要素は排除しきれない 最初はとにかく最速でリリースする事を目標に技術選定する 開発計画とビジネス計画は切っても切り離せない。 コーディングに傾倒するあまり完璧主義に陥って結局リリース出来ないまま頓挫してしまう個人開発者は多い

By Takuya Matsuyama
子育て中の個人開発者の一日

子育て中の個人開発者の一日

子育て中の個人開発者の一日 どうもTAKUYAです。 久しぶりに生活まわりの事を書きたい。自分はInkdropというMarkdownノートアプリを売って生きている。 子供も無事順調に成長しており、あと数ヶ月で3歳になるというところで、イヤイヤ期もやっと終わりが見えてきた。 生活パターンもなんとなく定着しつつあるので、ここで一旦どんなルーティンなのか書き出してみる。ちなみに当方今年で40歳。 平日の1日の流れ * 06:30 妻と子供起床、朝食 * 07:10–30 俺起床、朝食 * 07:40 布団を畳んで子供を着替えさせる。妻はその間に化粧や通勤の準備 * 08:00 ストレッチと軽い筋トレ(腕立て50回、スクワット100回) * 08:10 妻と子供を見送る。15分前後瞑想 * 08:30 散歩 * 09:00 作業開始(カフェまたは家) * 11:00 昼飯 * 12:00 ダラダラする * 12:30 作業再開(だいたい家)

By Takuya Matsuyama
個人開発で次の5年を生き残るためのブランディング戦略

個人開発で次の5年を生き残るためのブランディング戦略

個人開発で次の5年を生き残るためのブランディング戦略 生成AI時代を生き残るためには、感情がより重要になる/ハイブランドからブランディングを学んでみた/生産的な雰囲気をアプリに取り入れる/エデュテイメント: 教育+エンタメ こんにちは、個人開発で生活しているTAKUYAと申します。 主に英語圏で活動しており、本稿は先日書いたブログ記事の日本語訳です。 個人で作っているMarkdownノートアプリInkdropの価格を、2024年2月5日から月額$4.9(年額$49.9)から$9.98(年額$99.8)に変更しました。Inkdropは2016年にローンチして、「自分がユーザならこれぐらい払う」という基準で値段を設定しました。それからありがたいことに7年以上このアプリを続けられていて、お役に立てている事の証左として捉えて喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。奇跡だと思います。その間、状況も大きく変わり、アプリの機能性もずいぶん上がりました。その状況と提供価値を反映するために今回初めて価格を更新する事にしました。 この変更の背景については以下の記事で詳しく述べていますので、興味のある方は

By Takuya Matsuyama