アプリ開発者が開発の様子を配信して集客する戦略について考える

アプリ開発者が開発の様子を配信して集客する戦略について考える

アプリ開発者が開発の様子を配信して集客する戦略について考える

Inkdropの今後の集客戦略メモ

頭の整理も兼ねて書き連ねる。たまには日本語で。

MarkdownノートアプリInkdrop v5も無事リリース出来て、概ね好評でなにより。事故らなくてよかった。Hacker Newsにもシェアしてみたけど今回はあいにくバズらなかった。何度も同じ手法は通じないようだ。でも不確実なバズに頼ってばかりは良くない。もう収益化は出来ているので、今後は急がず自分のチャネルを少しずつ太くしていく事に注力する。

v5の開発中は5ヶ月間全くアプリの更新をしなかった。でも奇跡的に課金ユーザ数の増減はプラマイゼロだった。β版の配信や、こまめな進捗報告をしていたお陰かもしれない。でも開発に没頭するあまりInkdropの主要集客媒体であるブログやYouTubeの更新をサボっていたので、ユーザ増加ペースは大幅に下がっている。なので集客をこれからがんばる必要がある。ではその戦略をどうするか。

興味があるのは動画作り。最近はYouTubeの更新ペースを増やしつつある。以前YouTubeチャンネルの差別化戦略は書いたが、もっと具体化できつつある。

最近のプログラマー系YouTuberの分析と差別化メモ
This note is my analysis on YouTube channels in a programming topic in Japan.

主に英語で、アプリ作りやフリーランス生活などに関する視聴者からの質問に答えていくという内容。チュートリアルや開発の様子を見せるネタも好評なので混ぜていく。英語をもっと喋れるようになりたいのと、英語での発信がめっちゃ楽しいので、言語は主に英語でやっていく。

このツイートのようにオーディエンス層がなんか面白い。最近は中国系マレーシアの高校生から連絡がきた。あと、いつか日本に住んで働きたいという夢を抱いている人もよく絡んでくれる。Twitterの日本語アカウントがフォロワー1万人もいてそれを活かすべきなのかもしれないが、出来るだけ今興味があるとか面白いという気持ちを大事に活動したい。楽しむ事が第一。

差別化の工夫としては動画の雰囲気をちょっとオシャレにするよう編集している点。(特に日本の)プログラマ系動画は撮って出しで喋るだけというものが多い印象を受ける。たぶんカラグレとか音楽にこだわる事にそもそも興味がなさそうである。あとなんとなく教材っぽいとか。個人開発って楽しい、カッコいいというイメージを編集で演出できたらいい差別化になりそうだと思っている。

何本か出して、S-logやらHLG2やらの専門用語や仕組みをやっと理解してきた。専門外の事を学ぶのって楽しい。もっとクオリティ上げたい。シネマチックvlogが流行っているけど、シネマチックdevlogとか新しいし面白そうじゃない?Ryoya Takashimaさんみたいな料理動画の雰囲気でチュートリアルやるとか?難しそうだがやってるうちに自分に合うやり方が見つかるだろう。英語もやってるうちにスラスラ喋れるようになるだろう。なぜならプログラミング言語の学習と一緒で、使ってなんぼだから。Inkdropのリリース当初は問い合わせの英文を解読するのに30分、返事に1時間とかかかっていた。なつかしい。

もうひとつは、コミュニティビルディング。今までは「俺vsユーザ」という線の関係だった。現在はユーザもそれなりに集まり、プラグインを開発してくださる方も増えて盛り上がってきている。次はそのユーザ同士をつないで輪っかにする。この仕組みを提供してみたい。Discordとか良さそう。Twitchもやれって言われている。ライブストリーミングは敷居高いけど既に2回やってみて面白かったので検討する。カフェでノマドライブストリーミングしてみたい。この辺はRandyというゲームデベロッパーのやり方がすごく参考になる:

Twitchで頻繁にストリーミングしながら開発したり、Discordの総メンバー数が1万人いたりすごい。ユーモア満点な人。今年の初め頃からチェックしているけど、まだまだゲームは完成していない様子。大変そう。でもこうやって開発している様子を映像で配信して潜在顧客を集める手法は今後一般的になるだろう。日本ではまだまだ浸透していないように思う。ライバルが少ないうちにどんどんやっていく。日本人でやってる人があまりいないという事は、日本に興味がある海外のプログラマーに向けても面白みが出せるはずだ。カフェで開発作業している様子のvlogを出したら、交換留学で以前兵庫県に住んでいたというNZのデベロッパーがコメントくれた。おもしろ。

という訳で、方針はだいたい固まったのであとはやるだけである。上手く行くかわからないけど、無理せず楽しんでやっていく。応援よろしくお願いします!!

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Inkdrop v6 Canary版リリースしました — 新Markdownエディタやその他新機能盛り沢山

Inkdrop v6 Canary版リリースしました — 新Markdownエディタやその他新機能盛り沢山

Inkdrop v6.0.0 Canary版リリースしました — 新Markdownエディタやその他新機能盛り沢山 こんにちはTAKUYAです。 v6.0.0 の最初の Canary バージョンをリリースしました 😆✨ v6では、アプリのコア機能の改善がたくさん盛り込まれています! * リリースノート(英語): https://forum.inkdrop.app/t/inkdrop-desktop-v6-0-0-canary-1/5339 CodeMirror 6 ベースの新しいエディタ フローティングツールバー v5ではツールバーがエディタの上部に固定されており、使っていないときもスペースを占有していました。 v6では、テキストを選択したときだけ表示されるフローティングツールバーに変わりました。 GitHub Alerts 構文のサポート Alerts の構文が正しい色と左ボーダーでハイライトされるようになりました。 ネストされたアラートや引用にも対応しています。 また、アラートタイプの入力を支援する補完機能も追加されました。 スラッシュコマンド 空行で /

By Takuya Matsuyama
AIのお陰で最近辛かった個人開発がまた楽しくなった

AIのお陰で最近辛かった個人開発がまた楽しくなった

AIのお陰で最近辛かった個人開発がまた楽しくなった こんにちは、TAKUYAです。日本語ではお久しぶりです。僕はInkdropというプレーンテキストのMarkdownノートアプリを、デスクトップとモバイル向けにマルチプラットフォームで提供するSaaSとして、かれこれ9年にわたり開発運営しています。 最近、その開発にClaude Codeを導入しました。エージェンティックコーディングを可能にするCLIのAIツールです。 最初の試行は失敗に終わったものの、徐々に自分のワークフローに馴染ませることができました。そして先日、アプリ開発がまた「楽しい」と感じられるようになったのです。これは予想外でした。 本稿では、自分がエージェンティック・コーディングをワークフローに取り入れた方法と、それが個人開発への視点をどう変えたかを共有します。 * 翻訳元記事(英語): Agentic coding made programming fun again 自分のアプリに技術的負債が山ほどあった ご想像のとおり、9年も続くサービスをメンテするのは本当に大変です。 初期の頃は新機能の追加も簡単で

By Takuya Matsuyama
個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ

個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ

個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ InkdropというMarkdownノートアプリを作り続けて7年になる。 お陰さまでその売上でずっと生活できている。 これまで個人開発でどう継続していくかについて「ユーザの退会理由をあれこれ考えない」とか「アプリの売上目標を立てるのをやめました」とか、ビジネス面あるいはメンタル面からいろいろ書いてきた。 今回は、技術面にフォーカスして、どう継続して開発していくかについてシェアしたい。 TL;DR * 最初はとにかく最速でリリースする事を最優先する * 迷ったら「ときめく方」を選べ * 程よいところで切り上げて開発を進める * 使っているモジュールがdeprecatedされるなんてザラだと覚悟する * 古いから悪いとは限らない * シンプルにしていく * 老舗から継続の秘訣を学ぶ * 運ゲー要素は排除しきれない 最初はとにかく最速でリリースする事を目標に技術選定する 開発計画とビジネス計画は切っても切り離せない。 コーディングに傾倒するあまり完璧主義に陥って結局リリース出来ないまま頓挫してしまう個人開発者は多い

By Takuya Matsuyama
子育て中の個人開発者の一日

子育て中の個人開発者の一日

子育て中の個人開発者の一日 どうもTAKUYAです。 久しぶりに生活まわりの事を書きたい。自分はInkdropというMarkdownノートアプリを売って生きている。 子供も無事順調に成長しており、あと数ヶ月で3歳になるというところで、イヤイヤ期もやっと終わりが見えてきた。 生活パターンもなんとなく定着しつつあるので、ここで一旦どんなルーティンなのか書き出してみる。ちなみに当方今年で40歳。 平日の1日の流れ * 06:30 妻と子供起床、朝食 * 07:10–30 俺起床、朝食 * 07:40 布団を畳んで子供を着替えさせる。妻はその間に化粧や通勤の準備 * 08:00 ストレッチと軽い筋トレ(腕立て50回、スクワット100回) * 08:10 妻と子供を見送る。15分前後瞑想 * 08:30 散歩 * 09:00 作業開始(カフェまたは家) * 11:00 昼飯 * 12:00 ダラダラする * 12:30 作業再開(だいたい家)

By Takuya Matsuyama