2017年の活動成果まとめ・来年のブログネタ予告

2017年の活動成果まとめ・来年のブログネタ予告

2017年の活動成果まとめ・来年のブログネタ予告

今年もフリーランスとして、アプリ作家として、いろいろ活動しました。一言でまとめると飛躍の年だったなと思います。柄にもなく熊手を買ったおかげかもしれません(笑) 来年も、その成果から得られたノウハウをまとめて惜しみなくシェアして行きたいと思います。自分をオープンソースにする気持ちで。

本稿では、今年の主な活動成果を振り返りつつ、そこから来年書けそうなブログネタを検討します。

  • Markdownノートアプリでマネタイズできた
  • 受託開発は実質3人月ぐらいに抑えられた
  • Twitterのフォロワーが1300人増えた
  • ブログ年間アクセス数が19万に達した
  • GitHubで愛用しているライブラリにコントリビュート出来た
Inkdrop — The note-taking app with robust Markdown editor

2016年から作り始めたMarkdown専用ノートアプリ、Inkdrop。このブログでも幾度と紹介してきました。お陰様で今月の売上は24万円に達しました。精神的にかなり楽になりました。この調子で来年も開発ロードマップをこなして行きます。

開発当初、周りにこのアイデアを話しても懐疑的な意見しか得られませんでした。お金を払いたいとは思えない・そもそも欲しいと別に思わない、などなど。蓋を開けてみれば、いい意味でその予想が裏切られる結果となりました。ニッチ領域なんだから周りが同意してくれる確率も低いことは、今となっては当たり前だなと思えます。でも不安だから周りに同意を求めてしまう。その弱い自分を受け入れつつ、「自分が欲しいものを作る」という信念を貫いて良かったなと思います。批判は全て無視しましょう。たとえ友人であっても。

これまでの企画から開発、集客でやったことは以下の記事にまとめました。

来年もこのアプリの経験を経て得られた知見は書いていきます。

STYLY — Build and share your imaginations in VR

今年は3社お手伝いさせて頂きました。1社は前年作ったシステムの保守と引き継ぎ。Psychic VR Lab社との仕事ではSTYLYというVRサービスに関わりました。VRのシーンを作るエディタのWeb UIとAPI部分を開発しました。数年ぶりにPHPを書きました。もう1社は友人の会社の新サービス開発のお手伝い。まだリリースされておらず秘守義務があるので詳しくは書けません。

すべて人月単位ではなく作るモノの評価による報酬でした。見積もり方は以下の記事にまとめました。

年々、受託開発する時間は減少傾向にあります。一方で、契約ごとの報酬は伸びています。並行して作っているアプリの実績が蓄積されて行っているからです。Inkdrop以外にもいろいろ作っていて、それがなんかしら話題になったり、沢山のユーザを集めたり出来たお陰です。それを見積額の説得材料に使います。だからフリーランスが個人開発をやる事はキャリア的にも凄く有効です。この辺りの戦略については近いうちに書きたいと思います。

Twilogより

Inkdropのマーケティングを始める前のフォロワーは900人程度でしたが、この半年で2200人弱に伸びました。先述のアプリ開発ブログ記事が、1700の「はてなブックマーク」を獲得したのが一番の要因です。はてブ1000超えは人生で初めてだったので、象徴的な事件でした。

このフォロワーは大事な社会資本です。皆さんにとって有益な情報を継続して発信する事がネットでのシェアを誘発し、更なるフォロワーを生み、ひいてはアプリの売上に繋がります。

僕のアカウントはアプリのマーケティングをすると決めてから、個人的なつぶやきや友達との交流用途をほとんどやめて情報発信に注力ました。つまりTwitterをソーシャルネットワークではなく、ソーシャルメディアとして使うようになりました。人間関係にはこれといって悪影響はありませんでした。むしろ周囲の評価は上がったように感じます。

個人開発者が片手間でも出来るTwitter運用方法についても、今後書きたい思います。

海外ユーザの獲得のために、このブログとは別で英語ブログもやっています。ほぼ内容はこちらと同じです。2つのブログを合算すると今年のアクセス数は19万でした。アクセス数の推移を上図に示します。英語ブログの方も特に盛大にバズったりはしていませんが、じわじわ読まれています。英語の言論空間の広さを感じます。日本語と英語の2言語で更新するのはかなり大変でした。

英語ブログの方がコメントが沢山付く傾向があります。内容に反論するものや、単純に「参考になった、ありがとう!」という感想まで様々です。日本語ブログは基本コメントが付かず、はてブやTwitterで感想や意見を述べる人が多いです。英語圏では執筆者と読者が向き合っているのに対して、日本語圏では読者は彼らの属する村にネタを持ち帰って「どうよこれ」と話している印象を受けます。もちろん、英語圏にもHacker NewsやRedditなどの村があるので一概には言えません。良し悪しはともかく、文化的違いをサイバー空間でも感じられてとても面白いですね。

ブログを書く際にも、いろいろと気をつけている点があります。ブログはコンテンツマーケティングの一環として、コネなし・予算ゼロでも知恵さえあれば出来る有効な手段です。「ええもん作りゃあ勝手に人は集まる」と言いがちな職人気質の開発者でも出来るブログノウハウを来年は書きたいと思います。ブロガーのように毎日更新する必要はありません。月に3、4記事で充分です。

アプリの開発にあたって使用しているライブラリのバグを見つけることがしばしばあります。適宜バグ報告でissueを立てたり、自分で解決できるものはプルリクを投げるようにしています。エディタのCodeMirror関連が今年は多いです。ソースコード結構読みました。

あとremarkというMarkdownライブラリのプラグインのバグ修正もしました:

どれも大した貢献ではありませんが、今後も愛用しているライブラリは感謝の意も込めて出来るだけ貢献していきたいです。

個人開発での開発手法についても来年は書いていきたいです。特にReact Native関連は話題性があるので良さそうです。今アプリのタブレット対応もしていて、デバイス種別判定の仕方とか向きの変化検知の方法などいろいろ知見が溜まりつつあります。出来るだけネイティブモジュールを使わずに組むのがメンテ性を高めるコツだなとか。じゃあどのライブラリがおすすめかとか。リリースしたら書きます。

以上、ざっと主な成果を振り返ってみました。すごい楽しかったなぁという感想です。マーケティングとか自分には絶対に無理だと思って苦手意識があったんですが、何度も失敗した後にやっと克服出来たのが一番良かったです。ブログには上手く行った話しか書いてませんが、日々失敗ばかりです。ユーザさんを怒らせたりとか😅 それも振り返ってみればいい経験ですね。とにかく毎日勉強して、試す。読んでよかった本も紹介したいです。

ここまで読んでくださりありがとうございます。ではよいお年を!

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Inkdrop v6 Canary版リリースしました — 新Markdownエディタやその他新機能盛り沢山

Inkdrop v6 Canary版リリースしました — 新Markdownエディタやその他新機能盛り沢山

Inkdrop v6.0.0 Canary版リリースしました — 新Markdownエディタやその他新機能盛り沢山 こんにちはTAKUYAです。 v6.0.0 の最初の Canary バージョンをリリースしました 😆✨ v6では、アプリのコア機能の改善がたくさん盛り込まれています! * リリースノート(英語): https://forum.inkdrop.app/t/inkdrop-desktop-v6-0-0-canary-1/5339 CodeMirror 6 ベースの新しいエディタ フローティングツールバー v5ではツールバーがエディタの上部に固定されており、使っていないときもスペースを占有していました。 v6では、テキストを選択したときだけ表示されるフローティングツールバーに変わりました。 GitHub Alerts 構文のサポート Alerts の構文が正しい色と左ボーダーでハイライトされるようになりました。 ネストされたアラートや引用にも対応しています。 また、アラートタイプの入力を支援する補完機能も追加されました。 スラッシュコマンド 空行で /

By Takuya Matsuyama
AIのお陰で最近辛かった個人開発がまた楽しくなった

AIのお陰で最近辛かった個人開発がまた楽しくなった

AIのお陰で最近辛かった個人開発がまた楽しくなった こんにちは、TAKUYAです。日本語ではお久しぶりです。僕はInkdropというプレーンテキストのMarkdownノートアプリを、デスクトップとモバイル向けにマルチプラットフォームで提供するSaaSとして、かれこれ9年にわたり開発運営しています。 最近、その開発にClaude Codeを導入しました。エージェンティックコーディングを可能にするCLIのAIツールです。 最初の試行は失敗に終わったものの、徐々に自分のワークフローに馴染ませることができました。そして先日、アプリ開発がまた「楽しい」と感じられるようになったのです。これは予想外でした。 本稿では、自分がエージェンティック・コーディングをワークフローに取り入れた方法と、それが個人開発への視点をどう変えたかを共有します。 * 翻訳元記事(英語): Agentic coding made programming fun again 自分のアプリに技術的負債が山ほどあった ご想像のとおり、9年も続くサービスをメンテするのは本当に大変です。 初期の頃は新機能の追加も簡単で

By Takuya Matsuyama
個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ

個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ

個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ InkdropというMarkdownノートアプリを作り続けて7年になる。 お陰さまでその売上でずっと生活できている。 これまで個人開発でどう継続していくかについて「ユーザの退会理由をあれこれ考えない」とか「アプリの売上目標を立てるのをやめました」とか、ビジネス面あるいはメンタル面からいろいろ書いてきた。 今回は、技術面にフォーカスして、どう継続して開発していくかについてシェアしたい。 TL;DR * 最初はとにかく最速でリリースする事を最優先する * 迷ったら「ときめく方」を選べ * 程よいところで切り上げて開発を進める * 使っているモジュールがdeprecatedされるなんてザラだと覚悟する * 古いから悪いとは限らない * シンプルにしていく * 老舗から継続の秘訣を学ぶ * 運ゲー要素は排除しきれない 最初はとにかく最速でリリースする事を目標に技術選定する 開発計画とビジネス計画は切っても切り離せない。 コーディングに傾倒するあまり完璧主義に陥って結局リリース出来ないまま頓挫してしまう個人開発者は多い

By Takuya Matsuyama
子育て中の個人開発者の一日

子育て中の個人開発者の一日

子育て中の個人開発者の一日 どうもTAKUYAです。 久しぶりに生活まわりの事を書きたい。自分はInkdropというMarkdownノートアプリを売って生きている。 子供も無事順調に成長しており、あと数ヶ月で3歳になるというところで、イヤイヤ期もやっと終わりが見えてきた。 生活パターンもなんとなく定着しつつあるので、ここで一旦どんなルーティンなのか書き出してみる。ちなみに当方今年で40歳。 平日の1日の流れ * 06:30 妻と子供起床、朝食 * 07:10–30 俺起床、朝食 * 07:40 布団を畳んで子供を着替えさせる。妻はその間に化粧や通勤の準備 * 08:00 ストレッチと軽い筋トレ(腕立て50回、スクワット100回) * 08:10 妻と子供を見送る。15分前後瞑想 * 08:30 散歩 * 09:00 作業開始(カフェまたは家) * 11:00 昼飯 * 12:00 ダラダラする * 12:30 作業再開(だいたい家)

By Takuya Matsuyama