エラーが出ると混乱する人へ

エラーが出ると混乱する人へ

プログラミングやってて必ずと言っていいほど出くわすのがエラー。しかも、プログラミングの約半分がそのエラーと戦う作業と言っても過言ではない。これはスキルがいくら上がっても同じ。ずっとトラブルシューティングしてるようなもん。あーだるい。いうこと聞けよな。自分の書いたプログラムが一発で動いたら未だに感動する。俺は運がいい、と。

初心者が挫折するほとんどの理由は、このエラーに対処できないことだと思う。しかも残念なことに入門書の類いはうまくいくやり方しか書いてない。なぜなら書いてる本人にすら、何が起こるかすべて把握しきれないから。だから本に書いてないエラーは起こるべくして起こる。それを初心者はどうやって乗り越えれば良いのか分からなくて、ついには諦めてしまう。もったいないぞ。

エラーが起こる条件は無数にあって、全部書きだすのは無理。だから前もって「こんなエラーが起こるかも」と覚えるのは無駄な努力だからしない方がいい。そんな受験勉強みたいなやり方は間違い。絶対やらないで。

エラーは起こった時に都度調べればいい。覚えなくていいから。全然恥ずかしくないから。本に書いてねぇじゃん!とゴミ箱に投げつけるのはもうちょっと我慢して。そういうもんやねん。

初心者を教えてると、目の前でやって見せたのにも関わらずエラーで躓くことがある。例えば、CLIで選択肢の入力を求められているのに、何も選択せずにReturnキーを押してた、とか。そんなん絶対予想出来ない。

だから、なんか上手く行かない!ってなったら、まず自分を疑って欲しい。ちゃんと指示通りにやってる?ほんまに?うそやろ?それ思い込みやで。その自信をまずは捨てて。「なんも(悪いこと)してないのに動かなくなった」って言う人ほど灯台下暗しだ。

なんか意味わからん英語が出る。何言ってるかわからん。まるで死の宣告みたいだ。エラーメッセージってほんまそれ。コンピューターは冷徹に主人にそれを突きつけてくる。ERROR!の文字を見ただけで蕁麻疹が出そうになる。コーヒーを何杯飲んでも音楽をどれだけ聴いてもエラーへの嫌悪感は拭えない。

しかし諦めないで読んでみて欲しい。何かを訴えかけているはず。どのコードが悪いのか言ってくれてるかもしれない。わけワカメ?じゃあとりあえずググってみよう。同じボートに乗り合わせた人はほぼ間違いなくいて、先に解決して待ってくれてるから。

もし動いてたものが動かなくなったら、その大半は直前の変更点が原因だ。だから初心者は尚一層、石橋を叩いて渡ってほしい。コードを一行変更するごとにプログラムを走らせて欲しい。30行ぐらい変更した後に動かしてみてエラーが起こると、何が悪いのか検討もつかなくなるから。

どこが悪いか分からないなら、ちょっとずつ変更点をもとに戻しながら何度も実行してみる。これは自分もよくやる手法。すると、どっかの時点でエラーが消える。お前か!となる。

変更点を全部もとに戻してもまだエラーが起こるなら、コードとは別の変更点が原因の可能性が高い。例えば、PCを再起動させたせいでサーバが起動してなかったとか。ツールのバージョンを上げたとか。なんか全然別のファイルをいじってたとか。あるある。よくあるよ。

「俺は一体なにをしているんだ」と自問する。これはまじで有効。一旦落ち着いて考えるということ。

例えば、打っていたコマンドを実行する「場所」が間違っていたなんて事はよくある。場所とは、パスだったりサーバだったり。そのコマンドが参照している設定ファイルと、自分の編集している設定ファイルが違うなんてこともよくある。だから、「自分のやっている事は正しい」という思い込みを常に捨てる必要がある。

なんか仕事が遅い人って、ずっと同じエラーと戦ってるイメージがある。そういう人って、おかしいところが直せないのではなくて、そもそもおかしいところをおかしいと思っていない。そういうハマり体質の人はこの記事で書いたことを参考にしてみて欲しい。

みんなエラーが苦手だ。だからpower-assertが流行ったりするんだね。

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Inkdrop v6 Canary版リリースしました — 新Markdownエディタやその他新機能盛り沢山

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By Takuya Matsuyama
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AIのお陰で最近辛かった個人開発がまた楽しくなった こんにちは、TAKUYAです。日本語ではお久しぶりです。僕はInkdropというプレーンテキストのMarkdownノートアプリを、デスクトップとモバイル向けにマルチプラットフォームで提供するSaaSとして、かれこれ9年にわたり開発運営しています。 最近、その開発にClaude Codeを導入しました。エージェンティックコーディングを可能にするCLIのAIツールです。 最初の試行は失敗に終わったものの、徐々に自分のワークフローに馴染ませることができました。そして先日、アプリ開発がまた「楽しい」と感じられるようになったのです。これは予想外でした。 本稿では、自分がエージェンティック・コーディングをワークフローに取り入れた方法と、それが個人開発への視点をどう変えたかを共有します。 * 翻訳元記事(英語): Agentic coding made programming fun again 自分のアプリに技術的負債が山ほどあった ご想像のとおり、9年も続くサービスをメンテするのは本当に大変です。 初期の頃は新機能の追加も簡単で

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個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ

個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ

個人開発を7年以上続けて分かった技術選択のコツ InkdropというMarkdownノートアプリを作り続けて7年になる。 お陰さまでその売上でずっと生活できている。 これまで個人開発でどう継続していくかについて「ユーザの退会理由をあれこれ考えない」とか「アプリの売上目標を立てるのをやめました」とか、ビジネス面あるいはメンタル面からいろいろ書いてきた。 今回は、技術面にフォーカスして、どう継続して開発していくかについてシェアしたい。 TL;DR * 最初はとにかく最速でリリースする事を最優先する * 迷ったら「ときめく方」を選べ * 程よいところで切り上げて開発を進める * 使っているモジュールがdeprecatedされるなんてザラだと覚悟する * 古いから悪いとは限らない * シンプルにしていく * 老舗から継続の秘訣を学ぶ * 運ゲー要素は排除しきれない 最初はとにかく最速でリリースする事を目標に技術選定する 開発計画とビジネス計画は切っても切り離せない。 コーディングに傾倒するあまり完璧主義に陥って結局リリース出来ないまま頓挫してしまう個人開発者は多い

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子育て中の個人開発者の一日

子育て中の個人開発者の一日

子育て中の個人開発者の一日 どうもTAKUYAです。 久しぶりに生活まわりの事を書きたい。自分はInkdropというMarkdownノートアプリを売って生きている。 子供も無事順調に成長しており、あと数ヶ月で3歳になるというところで、イヤイヤ期もやっと終わりが見えてきた。 生活パターンもなんとなく定着しつつあるので、ここで一旦どんなルーティンなのか書き出してみる。ちなみに当方今年で40歳。 平日の1日の流れ * 06:30 妻と子供起床、朝食 * 07:10–30 俺起床、朝食 * 07:40 布団を畳んで子供を着替えさせる。妻はその間に化粧や通勤の準備 * 08:00 ストレッチと軽い筋トレ(腕立て50回、スクワット100回) * 08:10 妻と子供を見送る。15分前後瞑想 * 08:30 散歩 * 09:00 作業開始(カフェまたは家) * 11:00 昼飯 * 12:00 ダラダラする * 12:30 作業再開(だいたい家)

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