Inkdropの実装予定の機能 (vol.2)

Inkdropの実装予定の機能 (vol.2)

Inkdropの実装予定の機能 (vol.2)

In English: https://blog.inkdrop.info/the-next-roadmap-of-inkdrop-vol-2-b40a70b5498d

つい先日、ロードマップに掲げた機能を実装し終えました。なんだかんだで長い旅でしたが、早速次のロードマップについて考えたいと思います。すでに沢山の改善アイデアが集まっています。

前回のブログの通り、Inkdropはゆっくり成長しつつもいい感じに利益を上げつつあります。とてもありがたい話です。毎日来る売上げ通知のお陰で、高いモチベーションを保てています。応援ありがとうございます。

前回のロードマップを通して沢山の改善が加えられました。

繰り返しになりますが、Inkdropはチームワーク向けではありません。あくまで個人向けのノートアプリとして集中して改善していきます。

つい最近、新しいユーザサポートフォーラムを設置しました。日本語でもやりとり出来る仕組みを取り入れたお陰で、日本のユーザさんからも気軽に報告していただけるようになりました。ちなみにこのフォーラムはDiscourseを使っています。先日ここにロードマップの草案を投稿して、みなさんから意見を仰ぎました。ここでの議論を元にして、さっそく今後の機能について語りましょう!

モバイル版はReact Nativeで組まれているので、iOSとAndroid版のコードベースの多くは共通化されています。

デスクトップ版にはあるけどまだモバイル版には無い以下の機能の対応:

  • 画像の添付
  • ノートのウェブ共有
  • エクスポート

それと、エディタの実装がウェブベースなので毎回ノートを開く度に長い読み込み時間が発生していて、とてもフラストレーションが溜まります。プリロードの仕組みを導入する必要があります。

自分でも確認している重大な問題として、エディタが不安定な点が挙げられます。ノートを書いていると突然画面が真っ白になって何もできなくなります。原因は不明で、実装に使っているCodeMirrorはもともとPC向けにデザインされているためだと思われます。どうやらモバイル向けにエディタを作り直す必要がありそうです。大変そうですけど。

ジャンがslate.jsいいよと教えてくれたので、ちょっと調査してみようと思っています。

Androidユーザにとって今のUIは正直言って気持ち悪いです。僕がiOSユーザだということもあって、UIがiOSっぽいからです。マテリアルデザインに沿って作ってくれという要望が上がっています。

マシューがGoogle Inboxを参考にすると良いよと教えてくれました:

ユニバーサルに作っていないので、タブレットで開くと単に画面がズームされてしまいます。iOS11になってマルチタスキングもすごく使いやすく鳴ったし、タブレット対応は個人的にもすごくやりたいと思っています。UIとしてはデスクトップ版のように3カラムレイアウトにするのがよさそうです。

僕は日本人なので気づかなかったのですが、英語で文章を書く時にスペルチェックはかなり重要のようです。Inkdropはプログラミング関連のメモを取るためのアプリですが、多くの人がプロジェクト管理や仕事の文書作成にも使っています。

CodeMirrorにはスペルチェックに対応させるプラグインがあります:

これを使って、プラグインとして実装するのが良さそうです。ビクターが他の言語のスペルチェック対応もよろしくと言っていたので、一応意識して作りたいと思います。辞書の作成は協力してもらいたいですね。

これは本当に沢山の方から要望をもらいました。実は僕もvim使いなのでその気持ちはすごくよく分かります。クリスが対応させようとがんばってくれていてすごく嬉しかったです:

ただ実際に実装しようとすると既存のキーマッピングと衝突してしまう問題がありました。対処するには内部構造の知識が必要だったので、僕の方でプラグインを作ることにしました。

エクスポート機能については充実させたいところです。すでにHTMLエクスポートには対応しているんですが、まだちょっと問題が残っています。それは、数式プラグインなどのMarkdownレンダリング拡張に対応していない点です。どうせならちゃんと対応したい。

オリバーが出力する時にテーマも当てられるようにしてよと言っていたのですが、レンダリング拡張と関連しているのでたぶん一緒に解決できると思います。

Markdownのタスクリスト機能はみんなよく使っている機能の一つです。僕もよく使います。ノート内のタスクの完了具合をノートリストに表示できたら便利ですね。ちょうどGitHub issueみたいに。

ティモシーがこの要望を書いてくれました:

ここに書いたものはあくまで大きな機能だけです。これまで小さな機能は予告なく付けてたように、今後もリストに無い機能は付ける可能性があります。

機能要望はぜひお気軽にフォーラムまで送ってください。最も影響の大きいものを優先して実装していくため、最初はお断りするかもしれません。でも何度もいろんな人から同じ要望を受け取ると、その重要性を認識できます。フォーラムはそれを可視化する役割があります。

いつも要望やバグ報告ありがとうございます。みなさんのご協力お陰でInkdropはよりよいものに成長できています。今後ともよろしくおねがいします!

ダウンロード: https://www.inkdrop.app/フォーラム: https://forum.inkdrop.info/お問い合わせ: contact@inkdrop.appTwitter: https://twitter.com/inkdrop_app

Read more

なぜ体を壊してまで個人開発を頑張るのか?自尊心の欠如や過集中癖と向き合う

なぜ体を壊してまで個人開発を頑張るのか?自尊心の欠如や過集中癖と向き合う

どうもTAKUYAです。最近、個人開発を頑張りすぎて体調を崩してしまいました。アトピーが猛烈に悪化して、QoLが著しく下がってしまいました。まだ療養中ですが、毎日1万歩以上歩いて、徐々に回復しつつあります。 この過ちを繰り返さないためにも、自分は一体何が原因で頑張りすぎてしまうのか?という事について深堀りして考えてみたいと思います。また、個人開発におけるメンタルヘルスはあまり語られていないトピックだと思います。本記事が、同じように仕事を頑張りすぎてしまう人の助けになれば幸いです。 TL;DR * なんとなく続けていたソフト開発が自分を救った * 原体験が歪んだモチベーションを生んでしまった * 親が引くほどの過集中癖がある * 生得的な直せないバグと考えることにする * アプリの成功に関係なく、自分をあるがままに受け入れる * 挫折しないのは、なんだかんだで前向きだから * ユーザさんから「休め!」と叱咤された * 人生は長い。個人開発なんかで死ぬな 自己の原体験について振り返ってみる 個人開発だけで生活するようになって、かれこれ8年ぐらいが経ちます。こう

By Takuya Matsuyama
ユーザサポートの問い合わせを装った攻撃が怖すぎた

ユーザサポートの問い合わせを装った攻撃が怖すぎた

どうもTAKUYAです。個人開発をしていてアプリの知名度が上がってくると、作者個人(あるいはサイト管理人)を狙った攻撃というのをたまに受けます。つい先日も、怖すぎるメールを受け取ったのでシェアします。 件名: Cookie consent prevents platform access Hello, I cannot access use the store. The cookie consent notice keeps appearing and nothing happens once I approve or try to close it, so I’m unable to interact with the website. Please provide guidance on

By Takuya Matsuyama
万年ペーパーの自分が車の運転を楽しめるようになった理由

万年ペーパーの自分が車の運転を楽しめるようになった理由

どうもTAKUYAです。大学の入学前に免許を取って以来ずっとペーパードライバーで、都市生活では出来る限り運転は避ける生活を送っていた。事故を起こせば人を◯してしまう可能性もある代物を日常的に運転するなんて考えられなかった。 そんな自分に転機が訪れたのは、結婚して大阪に戻った事と、子供ができた事、そしてアウトドアに興味を持った事だ。大阪近辺だと箕面とか野勢、神戸、丹波篠山などが日帰りでドライブしやすい距離だ。それで、恐る恐るタイムズのカーシェアで時々ではあるが運転するようになった。 他の車も生きた人間が運転しているという驚き まず運転していて気づいたのは、他の車にも生きた人間が運転していると言う点だ。そんなのは当たり前だろと思うかもしれないが、結構新鮮な発見だった。Grand Theft Autoなどの現代をモチーフにしたゲームをプレイすれば分かるが、NPCの車の動きは鈍臭いのでガンガンぶつかる。プレイヤーの進行を予測した動きなどしないからだ。 しかし現実では相手も事故りたくないので、お互いに動きを読み合い、譲り合って運転する。ルードな運転手もたまにいるものの、どちらかがよっぽ

By Takuya Matsuyama
禅的思考: なぜInkdropはMarkdown独自拡張をしないのか

禅的思考: なぜInkdropはMarkdown独自拡張をしないのか

InkdropはMarkdownのノートアプリですが、Markdownの独自拡張は「絶対にやらない」と決めていて、それがアプリの哲学になっています。 Markdown(厳密にはGitHub-flavored Markdown)の強みは、ソフトウェア業界標準で広く使われてい緩い文書フォーマットという所です。 アプリの独自記法を加えてしまったら、あなたの書いたノートはたちまちそれらと互換性がなくなります。 「独自記法を加えた方が便利な機能が付けられるだろう」と思うかもしれません。もちろん実際Markdownは完璧な書式ではないため、必要な場面はいくつかあります。例えば画像のサイズ指定方法が定まっていない、など。それでも自分は、ノートの可搬性を第一にしてきました。その裏には禅にまつわる哲学があります。 日本の文化は周りの環境と対立するのではなく、溶け込もう、馴染ませよう、共生しようとする傾向があります。窓の借景、枯山水、建築の非対称性、茶室のシンプルさ、侘び寂びなどあらゆるところで見られます。 絵画における「減筆」の手法を例にとって説明します。 これは、描線を最小限に抑えながら絹や紙の

By Takuya Matsuyama