信念を貫け!1年半の開発と3ヶ月の燃え尽きから学んだAIコーディングの教訓

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信念を貫け!1年半の開発と3ヶ月の燃え尽きから学んだAIコーディングの教訓
イヌさんが船(AI)に乗り、コンパス(意思)を持って行き先を自分で決めている様子。画像は僕の両手にて生成
お断り: 元の記事は英語で書き、壊れた文法はAIで直しました

TL;DR

  • アプリの新バージョン開発に費やした1年半(3ヶ月の燃え尽き期間を含む)で学んだこと
  • AIは常に人生の二の次であるべき。過去には二度と戻れない
  • 5年後に振り返ったとき、Fableがどうだったとか完全にどうでもいい
  • シングルタスクをキープしろ。エージェントの数は関係ない
  • 頭の中のコンテキストスイッチが次のボトルネック
  • 理解があるからこそ、次のアイデアが生まれる
  • 自分を本当に幸せにするものを知れ – 僕は自分が欲しいものを作る
  • SaaSを10年以上運営するのは、同じ作品を何年も描き続ける漫画家のようだ
  • 自分の信念を築けるのは、自分だけ

Inkdrop v6の開発に1年半費やした

どうもTAKUYAです。英語圏でかれこれ10年個人開発をしています。先日投稿した通り、予てから作っていた新バージョンのMarkdownノートアプリをやっとリリースしました。繰り返しになるので、リンクだけ貼っておきます:

Inkdrop is an AI-native Markdown note app for developers — smooth context flow between you and your agents, encrypted sync, every platform
Inkdrop is an AI-native Markdown note app for developers — smooth context flow between you and your agents, encrypted sync, every platform

本記事では、アプリの宣伝ではなく、この道のりで学んだことをシェアしたいと思います。

AIは常に人生の二の次であるべき。過去には戻れないのだから

昨年(2025年)、体調が猛烈に悪化してバーンアウトし、約3ヶ月間動けませんでした。復帰した後、ブログになぜ自分は個人開発を頑張りすぎてしまうのかと、過集中を避けるための働き方について書きました。

思い返してみて何より辛かったのは、当時4歳の娘と充実した時間を過ごせなかった事です。その時間はもう二度と戻ってきません。去年の夏の家族との思い出は完全に空白です。辛い。

僕が息をするだけの日々を過ごしている間に、AIは大幅に進化してソフトウェア開発のパラダイムが大きく変わっていました。復帰してまずClaude Codeに慣れるところから始めました。倒れる前より賢くなり、充分楽しめるレベルになっているのを感じました。と同時に、AIエージェントのワークフローは中毒性が強すぎて、時間も、人生で本当に大切なものも忘れさせてしまうと感じました。

しなかった後悔は一生引きずります。マジで苦しいです。だから、AI革命の面白さと子供のどっちを取るかで迷ったら、自分は絶対に子供を選びます。

今年の夏は充分に思い出ができました

想像してください –– 5年後に振り返ったとき、Fable 5がどうだったとか完全にどうでもいい事です。それよりも下の子がハイハイを始めた瞬間とか、上の子のひらがな練習を手伝った思い出の方がプライスレスです。

この3ヶ月間の教訓を僕は一生忘れません。AIにとってあなたの人生はモデルの学習材料程度です。「ちょっと働きすぎですよ!休んでください」なんて、コーディングセッションの途中で言ってくれる訳がありません。

シングルタスクをキープしろ。エージェントの数は関係ない

複数のコーディングエージェントを同時に走らせると、まるで超能力を手に入れた気分になります。実際そうでしょう、複数のタスクを同時に超スピードでこなせるのですから。だから僕はこの記事で、個人開発においてマンパワーはもうボトルネックではない技術的負債はもう大した問題ではないと書きました。

Agentic Workflowを最大限活用するために、tmux上でClaude Codeのセッションを管理するツールも自作しました。

GitHub - craftzdog/tmux-claude-session-manager: Run many Claude Code sessions across your projects, each in its own tmux session — then list them, see which are done vs. still working, and jump to one from a single popup.
Run many Claude Code sessions across your projects, each in its own tmux session — then list them, see which are done vs. still working, and jump to one from a single popup. - craftzdog/tmux-claude…

最初は満足していました。でも、エージェントを増やせば増やすほど、集中力を失っていくことに気づきました。生成されたコードを確認しようとtmuxのウィンドウを切り替えたとき、「自分は一体何をしていたんだっけ?」となる事が頻繁に起こりました。最近では大量のエージェントマネージャーが登場して、人気を博していますね。でも、みんな本当に自分の頭のコンテキストスイッチに一切苦しまずに使いこなせているんでしょうか?

今や本当の問題は技術的負債ではなく認知的負債(cognitive debt)だ、理解こそが新たなボトルネックだと言う人たちがいます。PouchDBの作者であるNolan LawsonのAIコーディングに対する考え方も好きです: Using AI to write better code more slowly (AIを使ってよりよいコードをゆっくり書こう)

そこで僕は、複雑なタスクにはエージェント1つまで、小さなタスクに1〜2つまで、と決めました。今はタスクごとにエージェントに詳細な計画とレポートを書かせて、それをできる限り丁寧に把握するようにしています(InkdropのノートテンプレートMCPサーバーを使って)。AIは行き詰まると視野が狭くなりがちです。僕自身がタスクと問題をよく理解していれば、より良い解決案を思いついて提案できます。このワークフローによって、認知的負債とコンテキストスイッチの問題は最小限に保てています。理解があるからこそ、次のアイデアが生まれるのです:

知識なくして実践を愛する者は、舵もコンパスも持たずに船に乗り込む船乗りのようなもので、自分がどこへ向かっているのか決して確信できない。

– レオナルド・ダ・ヴィンチ『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』

エージェントによるマルチタスクは、気持ちよさと引き換えに簡単にあなたから舵とコンパスを奪います。自分の船がどこに向かおうとしているのか、理解するのを諦めないで下さい。

自分が何に幸せを感じるのかを深く知れ。僕は自分が欲しいものを作る

Inkdropは今年で10年目です。あっという間ですね。30歳の頃は、同じプロジェクトをこんなに長く続けるとは想像だにしませんでした。まるで同じ作品を何年も描き続ける漫画家みたいな感じです(例: ONE PIECEの尾田栄一郎さん)。ノートアプリを作るのは本当に大変で、この道のりが楽になる事は一生無いでしょう。

なぜ10年以上も続けてこられたのか?それは、自分の問題(itch)を解消するために作ってきたからです。これが僕にとって、いちばん安定したモチベーションの源です。自分のアプリの最大のユーザーが自分自身である限り、ほぼ無限に取り組み続けられます。

そしてマーケティングも含めて、すべての仕事に自分の興味を結びつけるようにしてきました。自分が読みたいと思う記事を書く、自分が観たいと思う動画を撮る –– つまり、僕の創作物は基本的に以下のような人たちに向けたものです:

  • 自分と似ている人
  • 同じ境遇にいる人
  • 好みが近い人
  • センスが近い人

この原則はAI時代になっても変わらないと強く信じています。今や誰でもアプリを作れる時代です。でも、いつ何に取り組むにしても、自分を本当に突き動かすものが何なのか、自問し続けることを忘れないでください。

AIが貸してくれるのは知性だけ。情熱や信念ではない

繰り返しますが、AIはあなたのことを気にかけてはくれません。パターンに基づいて応答を生成しているだけです。自分の信念を築けるのは自分だけです。舵とコンパスは、あなた常に自身です。そして、創作を通じて自分を本当に幸せにするものを探して、気づいて下さい。

以上です。ここまでお読みいただきありがとうございます。あなたの開発者としてのキャリアや個人開発に参考になれば嬉しいです。これからも学んだことをここでシェアしていきます。

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Inkdrop v6リリースしました

Inkdrop v6リリースしました

どうもTAKUYAです。日本語でもお知らせします。 Inkdrop v6を正式リリースしました!1.5年がかりの大改修となり、大変お待たせしました。本バージョンでは、新しいMarkdownエディタや、最近のエージェント型コーディングワークフローに最適化された新しいAI連携機能など、根本から作り直した改善が盛りだくさんです。それでいて、気が散らないシンプルでクリーンなUXはそのまま維持しています。 まずはじめに、既存のユーザの皆様に大きな感謝を述べたいと思います。開発期間中に辛抱強く待って下さった事、そしてCanaryテストで多くのフィードバックをくれたことに心から感謝します。皆さんのサポートなしには実現できませんでした。 ウェブサイトもv6に合わせて完全に作り直しました。アプリのUIをそのまま使ってライブデモを構築したので、アプリをDLせずとも新しいエディタを試せるようにしました。ぜひ触ってみてください: Inkdrop is an AI-native Markdown note app for developers — smooth context flow between

By Takuya Matsuyama
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